遺言書を書かないと何が起こるのか~「うちは仲が良いから大丈夫」が一番危ない理由~

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「遺言書までは必要ないかな。」

そう考えている方は少なくありません。

特に、

家族仲が良い
財産がそれほど多くない
相続人同士で話し合えると思っている

という場合は、遺言書の必要性を感じにくいものです。

しかし実際には、相続でもめる原因は財産の多さではありません。

むしろ、

「どう分けるかが決まっていないこと」

によって問題が発生するケースが多くあります。

遺言書は、お金持ちだけのためのものではありません。

自分の意思を家族へ伝え、相続後の混乱を防ぐための大切な手段です。

今回は、遺言書がない場合に起こり得る問題について解説します。

相続人全員で話し合いが必要になる

遺言書がない場合、亡くなった方の財産は法律で定められた相続人全員で話し合って分けることになります。

これを「遺産分割協議」といいます。

相続人が一人であれば問題ありません。

しかし、

配偶者
子ども
兄弟姉妹

など複数の相続人がいる場合は、全員の合意が必要になります。

一人でも反対する人がいれば、手続きを進めることができません。

そのため、

「誰が何を相続するか」

が決まるまでに長い時間がかかることもあります。

家族仲が良くても意見は分かれる

相続トラブルというと、

もともと仲の悪い家族を想像する方もいるかもしれません。

しかし実際には、

「仲が良かった家族」

が相続をきっかけに関係が悪化するケースもあります。

例えば、

長男は自宅を相続したい。

次男は現金で公平に分けたい。

配偶者は今の家に住み続けたい。

それぞれに正当な理由があります。

誰かが悪いわけではありません。

だからこそ、話し合いがまとまらなくなることがあります。

遺言書があれば、

「本人はこう考えていた」

という基準になります。

その意味は非常に大きいのです。

不動産は平等に分けにくい

相続財産の中でも特に問題になりやすいのが不動産です。

預金であれば、

1,000万円を500万円ずつ分けることは簡単です。

しかし、

自宅が3,000万円だった場合、

半分に切って分けることはできません。

そのため、

誰が取得するのか
他の相続人へどう調整するのか

という問題が発生します。

特に自宅以外に十分な現金がない場合は、話し合いが難航することもあります。

■ 銀行口座の手続きが進まなくなる

相続が発生すると、亡くなった方の預金口座は相続手続きが必要になります。

遺言書がない場合は、

原則として相続人全員の協力が必要になります。

例えば、

相続人の一人と連絡が取れない
必要書類が集まらない
意見がまとまらない

といった状況になると、預金の払い戻し手続きが進みません。

家族の生活費や相続税の納税資金に影響することもあります。

社長の場合は自社株の問題もある

中小企業の経営者にとって、遺言書の重要性はさらに高くなります。

なぜなら、自社株が相続財産になるからです。

例えば、

長男が後継者として会社を継ぐ予定だったとしても、遺言書がなければ自社株が他の相続人へ分散する可能性があります。

すると、

経営権が不安定になる
株主構成が複雑になる
事業承継が進まない

といった問題が発生することがあります。

会社を守るという意味でも、遺言書は重要な役割を果たします。

相続人同士の関係が修復できなくなることもある

相続で最も怖いのは、お金ではありません。

家族関係が壊れてしまうことです。

相続が終わった後も、

兄弟が会わなくなった
親族との付き合いがなくなった
法的な争いに発展した

というケースは少なくありません。

本来、相続は家族のために残した財産を引き継ぐ手続きです。

しかし、分け方が決まっていないことで、家族関係そのものに影響が出てしまうことがあります。

遺言書は財産の多い少ないとは関係ない

「うちは相続税がかからないから大丈夫。」

そう考える方もいます。

しかし、

相続税がかからないことと、相続でもめないことは別問題です。

例えば、

自宅
預金
自社株
生命保険

があるだけでも相続手続きは発生します。

むしろ財産が少ないからこそ、

「どう分けるか」

が難しくなるケースもあります。

遺言書は節税のためではなく、家族への最後のメッセージとして考えるべきものです。

遺言書があるだけで防げる問題は多い

もちろん、遺言書があればすべての問題が解決するわけではありません。

しかし、

誰に何を渡すのか
誰に会社を継がせるのか
どのような想いで残すのか

を明確にしておくだけで、多くのトラブルを未然に防ぐことができます。

特に経営者の場合は、

家族だけではなく、

従業員
取引先
金融機関

にも影響が及ぶため、早めの準備が重要になります。

まとめ

遺言書を書かない場合、

相続人全員で話し合いが必要になる
不動産の分割で揉めやすくなる
預金手続きが進まなくなる
自社株が分散する可能性がある
家族関係が悪化することもある

など、さまざまな問題が発生する可能性があります。

相続対策というと税金に目が向きがちですが、本当に大切なのは、

「残された家族が困らないようにすること」

です。

遺言書は資産家だけのものではありません。

家族への思いや会社への願いを形にするための、大切な準備の一つと言えるでしょう。

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