中小企業の経営者であれば、一つや二つは生命保険に加入しているのではないでしょうか。
会社設立時や融資を受けたタイミングで加入し、その後は内容をほとんど確認していないというケースも少なくありません。
しかし、生命保険は一度加入したら終わりではありません。
会社の状況や経営者の年齢、家族構成、借入状況などによって、本来必要な保障額や加入目的は変化していきます。
そのため、
「何年も見直していない」
という状態であれば、一度確認してみる価値があります。
今回は、社長の生命保険を見直す際のポイントについて解説します。
そもそも何のために加入したのか
生命保険を見直す際に最初に確認したいのは、
「なぜ加入したのか」
です。
例えば、
万が一の際の家族の生活保障
借入金対策
事業継続資金の確保
退職金準備
相続対策
など、加入目的はさまざまです。
ところが、長年経過すると加入当時の目的を忘れてしまい、
「とりあえず継続している」
状態になっていることがあります。
保険は目的があって初めて意味を持ちます。
まずは加入理由を整理することが大切です。
借入金が減っているのに保障額はそのまま
中小企業では、金融機関からの借入に備えて生命保険へ加入しているケースがあります。
特に創業期や成長期は、
「社長に万が一のことがあれば返済が難しくなる」
というリスクがあります。
しかし、その後借入残高が大きく減っているにもかかわらず、保障額だけが当時のままになっていることがあります。
もちろん保障が多いこと自体は悪いことではありません。
ただし、
現在のリスクと保障内容が合っているのか
は定期的に確認する必要があります。
家族構成が変わっている
生命保険は家族を守るために加入するケースも多くあります。
しかし、
子どもが独立した
住宅ローンを完済した
配偶者にも収入がある
など、加入当時とは状況が変わっていることがあります。
反対に、
子どもが増えた
介護が必要な家族がいる
など、保障を増やした方が良いケースもあります。
加入当時は最適だった保険も、現在の状況では合わなくなっている可能性があります。
保険料が会社の負担になっていないか
法人契約の生命保険では、毎月の保険料が会社から支払われます。
そのため、
「保険料を払い続けること」
が目的になってしまうことがあります。
例えば、
月々の保険料が高額であるにもかかわらず、
保障内容を理解していない
解約返戻金を確認していない
活用方法が決まっていない
というケースもあります。
生命保険は会社のお金を使って加入する以上、
現在の経営状況に見合っているか
という視点も重要です。
相続対策として機能しているか
経営者の場合、
生命保険は相続対策として活用されることがあります。
例えば、
相続税の納税資金
遺族の生活資金
代償分割資金
などです。
特に財産の多くが、
自社株
不動産
である場合、相続発生時に現金不足が起こることがあります。
生命保険は、そのような場面で遺族を支える役割を果たします。
ただし、
加入した保険が現在の資産状況に合っているか
は定期的に確認したいポイントです。
「節税目的で加入した保険」がそのままになっている
以前は節税を目的として加入される法人保険も多くありました。
しかし税制改正により、現在は以前と同じような効果が期待できない商品もあります。
そのため、
加入当時は合理的だった保険が、
今では目的を失っているケースもあります。
重要なのは、
節税商品として考えるのではなく、
「会社や家族を守るための保険になっているか」
という視点です。
解約や見直しが正解とは限らない
生命保険の見直しというと、
すぐに解約をイメージする方もいます。
しかし、
保障内容によっては継続した方が良いケースもあります。
また、
解約返戻金
税務上の影響
相続対策への影響
なども考慮する必要があります。
そのため、
保険料が高いから解約する
という単純な判断ではなく、
現在の目的に合っているかどうか
を基準に考えることが大切です。
本当に大切なのは「加入」ではなく「定期点検」
生命保険は加入時に大きな検討をします。
しかし、その後何年も放置されることが少なくありません。
会社経営では、
売上
利益
借入
家族構成
などが変化していきます。
保険だけが変わらないということは、本来あまり自然なことではありません。
生命保険は加入して終わりではなく、
定期的に役割を確認することが重要です。
まとめ
社長の生命保険は、
加入したまま放置していると、
現在の経営状況や家族構成と合わなくなっている可能性があります。
本当に確認したいのは、
「保険に入っているか」
ではなく、
「その保険が今も必要な役割を果たしているか」です。
借入対策、事業承継、相続対策、家族の生活保障。
生命保険にはさまざまな役割があります。
だからこそ、定期的に内容を見直し、
会社と家族を守るための保険になっているかを確認しましょう。

コメント