お客様側の税理士か、税務署側の税理士か

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先日、とある方から「あなたはクライアント側の税理士と税務署側の税理士のどちらですか?」と聞かれました。

その時は「節税だったり資金繰りについても提案していますし、クライアント側ですよ」と差し障りなく答えましたが、【お客様側の税理士】や【税務署側の税理士】とはどのような税理士なのでしょうか。

お客様側の税理士とは?

お客様にとっての税理士とは将来の税金に備えた適切なお金の使い方や、ビジネスの動きに合わせた資金調達のアドバイスなど、お客様やその会社を守るための伴走者なのだと考えています。

そのためには、お客様に安易に迎合せず、個々の状況に合わせて、知識経験を武器にカスタマイズされた提案をしていく必要があります。

「少しでも税金を減らしたい」と言われたからといって、プライベートの経費を計上したりするのは、お客様のためではなく、お客様に嫌な顔をされないよう保身に走った自分本位の税理士だと思うのです。

その場しのぎで不正な費用を計上したりしても、その後の税務調査で不正処理が発覚すれば罰金を払わなければなりませんし、最悪逮捕されることもあるわけです。(加担した税理士も懲戒になります。)

具体的な計算は省略しますが、不正に100万円税金を減らそうとすると、罰金を含めて将来150万円納税することになるリスクがあります。
そして、税務調査は最長7年間さかのぼることがあります。
その期間ずっーとバレないか気にし続けて生活するのは、精神衛生上よくありませんし、人生においても損ではないでしょうか。

おカネのためにバレないこと期待して取るメリットとしては、リスクが高すぎると思いませんか?

ですから、自分の軸を曲げてお客様の言いなりになることは、お客様のためでもなければ誰の幸せにもならないのです。

税理士としてプロの目線を変えることなく、状況判断をして、お客様を導くことがお客様側の税理士と言ってもよいのではないでしょうか。

税務署側の税理士とは?

税務署にとって都合の良い会社や個人事業主とは、税金をたくさん納めてくれるものです。

つまり、税務署側の税理士とは、お客様に多くの納税をさせてしまう税理士となります。

税金を無駄に払うことになってしまうのは、いくつかの理由がありますが、以下のようなものがあるのではないでしょうか。

・お客様の業績や状況をタイムリーに把握しておくことをサボった結果として、節税などのアドバイスができなくなってしまった。
・税務署との関係を気にしたり、税務職員に嫌な顔をされないようにするために、税務調査で税務署のいいなりになってしまった。(もちろん正当な主張は受け入れる必要があります。)

税務署のためを思って、お客様にわざと多くの税金を払わせる税理士はいないと思うのです。

したがって、税務署側の税理士とは、以下の理由でお客様に無駄に税金を払わせてしまった税理士だと言えます。

・新しい情報を収集したり、勉強することサボったりしたために知識が乏しい
・日々の仕事の手を抜いたためにお客様の状況把握ができておらず、アドバイスができない
・税務署に対して極端に気を遣い八方美人になっている

まとめ

お客様側か税務署側かという2択は、結局はお客様に寄り添っているかいないかの2択に言い換えられると思います。ベストな提案ができなかった結果として、税務署に都合のよい状況ができてしまうと言えるのではないでしょうか。

また、お客様側としても、日々の経理をタイムリーに行い、税理士と共有しておくことが大事です。
ご自身の状況を税理士にも理解しておいてもらい、事後的ではなく、予防的にアドバイスをしてもらえる環境をつくることがお客様の大切な資産を守ることになるのです。

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